2人が本棚に入れています
本棚に追加
ある日。
お父さんは、わたしをよんで言いました。
「ミナちゃん。お兄さんのこと、好き?」
「うん、好きだよ!」
「じゃあ、いっしょに住んでもいい?」
「いいよ!」
「良かった」
どうして、お父さんがすごくほっとした顔をしたのか、この時のわたしにはすぐにはわかりませんでした。
お父さんは、お兄さんと“パートナー”になりたいのだと言っていました。お父さんはむかしから、女の人のことも、男の人のことも好きになれる人なのだそうです。お母さんとは、そういうきもちをどうしてもわかりあえなくて、別れてしまったのだそうです。
わたしにはわかりませんでした。
お母さんのことを、何もおぼえていないからというのもあるけれど、どうして男の人が男の人を好きでいけないのかがわかりません。
だいじなのは、いっしょにいて、えがおになれるかどうかだと思います。
お父さんは、お兄さんといっしょにいて、とっても幸せそうです。わたしも、お父さんとお兄さんといると、毎日が楽しいです。それを、だれかがいけないことだなんて、言うけんりはないと思います。
「ミナちゃんから、お母さんをうばってしまったのは、お父さんだ。本当にごめんな。しかも、ミナちゃんはお母さんのかわりに、新しいお兄さんができることになる。だれかに、イヤなことを言われるかもしれない。それでもいいのかい?」
「誰かがお父さんとお兄さんをいじめるの?じゃあ、わたしがやっつけてあげる!」
わたしがそう言うと、お父さんはないてしまいました。
なんでお父さんがないてしまったのかよくわからないけど、わたしはとても大切なりゆうがあったんだろうなと思います。
だから、お父さんとお兄さんにゆるしてもらって、作文にかくことにしました。
わたしには、お父さんがいます
新しいお兄さんもできました。
わたしにとって、二人はとっても大切なかぞくです。
お母さんはいないけど、わたしはとっても幸せです。
だから、みんなもひどいことを言ったらゆるしません。いじめる人は、私がみんなやっつけるって、お父さんとやくそくしたんだから。
最初のコメントを投稿しよう!