ファジー

12/12
前へ
/12ページ
次へ
そうやって闇の中で舞う火を見ていると、 段々と光と闇の境界が曖昧となってくる。 光ったと思った空間が次の瞬間には暗闇に変化していて、 とても幻想的な世界を感じる。 仕事に疲れて病んだ僕。 それが僕にとっての闇だったとすると、 今の気持ちはきっと光なんだろう。 闇はいつまでも続かない。 闇は次の瞬間に光となって、 光も刹那的に闇へと変わる。 きっと今の気持ちがいつまでも続くなんてことはないだろう。 いつかはまた働かないといけないし、 また前と同じような苦しみと出会うかもしれない。 当然仕事以外でも生きていれば様々な苦しみがあるだろう。 でも今は、 その苦しみもいつかは終わる事を知った。 いつか終わるし、 自分で終わらせられることも。 光と闇に境界なんてないように、 心の中にも境界なんて存在しない。 それが分かれば、 また苦しくなっても何とかなる気がする。 朦朧とする火のアートを見ながら、 僕はそんな事を考えている。
/12ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加