ファジー

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夕食はビーチにあるレストランを選んだ。 海を見ながら、 波の音を聞きながら、 ゆらぎの中で食事を摂る。 空も薄暗くなってきた頃、 お店のおばちゃんが僕の肩を叩いてきた。 何を言っているのかはわからないが笑顔でどこかを指さしているので、 会計を済ませてそちらへ向かってみると一つの人だかりができていた。 何があるのだろうと首を伸ばしてみると、 砂浜で何人かの男の人がパフォーマンスをしていた。 パフォーマンスといっても、 日本でよく見るような歌や手品などではなく、 ただ飛んだり跳ねたりしているだけだ。 確かにすごいとは思うけどわざわざ見に来るものでもなかったかなと思っていると、 周りの音がぴたっと止んだ。 パフォーマーも、 観客も。 空は既に暗くなっている。 明かりと言えば皆が持っているスマートフォンの画面くらいで、 周囲には人がたくさんいるはずなのに、 暗闇の中で自分一人が取り残されてしまったかのような漠然とした不安が僕を襲ってきた。
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