停電

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ガンッ! 「いってぇ!」 「亜郎!?」 「こ、こんなところにテーブルがあるとか罠じゃん……」 亜郎の声が震えている。テーブルに足をぶつけたのか。 「暗いのに立つから……。ちょっと待ってて」 ようやく見つけたスマホのライトをつけ、周りを照らした。 蹲る亜郎を見つけて、物に躓かないように気を付けて膝立ちのまま近寄った。 「よーしよし、痛かったねぇ」 「弁慶でも痛いから弁慶の泣き所なんだよ……」 「痛いねぇ、よーしよし」 声を聞くに半泣きだろうな。 私はその背中をよしよしと撫でる。 「早急に明かりを付けに行くべきと判断した」 「よし、じゃあ行こう」 「しかし動きたくない。もう痛いのやだ」 「こんな暗闇の中に私を放り出すのか? 今何時だと思ってんの? 2時だよ? それも深夜。丑三つ時なんだよ?」 すっかり意気消沈した亜郎に捲し立てる。
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