停電

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停電

バリバリバリバリッ! 「きゃっ!」 「うおっ!」 一際大きな雷の後、家のブレーカーが落ちたようで停電してしまった。 咄嗟に同棲中の彼、亜郎(あろう)に抱きつく。 「三葉(みつば)、大丈夫か?」 「う、うん」 びっくりしたぁ。雷は嫌いじゃない。だけど、これほどの爆音は心臓に悪い。 亜郎はいきなり抱きついた私をしっかりと抱きとめ、背中をさすってくれる。 「今のはビックリしたなぁ」 「おっきかったね。どこかに落ちたかな?」 「かもな」 ザーザーと止まない雨の中、ピカッと空が光ってはバリバリッと音が響く。 鼓動が落ち着いてきた私は、亜郎から体を離した。 「ブレーカー見に行こう」 「だな。明かり、明かり。スマホどこだ?」 「んー……」 私は四つん這いになって床にあるはずのスマホを手探りで探す。
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