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こんな日々が続き、僕の周りはどんどん透明になっていった。そして、それと共に僕の口数も減っていった。
僕に見えなくても、そこに何があるか推測できる場合はまだいい。そこにあるものを想像して話を合わせる事ができるからだ。
しかし、僕がないと思っている物だって、透明になってそこにあるのかも知れない。もし、そうなった場合、僕は頓珍漢な事を言う事になるだろうし、周りの人は僕にそれが見えていない事に気付くだろう。そうしたら、きっと僕は精神病院に入れられる事になる。
そう考えると、僕は喋る事が怖くなった。できるだけ黙ったまま、物事をやり過ごしたい。まるで、暗闇の中にいるような感覚だった。
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