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「管理人? 司書?」
矢一が呟くようにたずねた。詩道は3人に向かって、管理人と司書について説明した。
「司書はどこの図書館にもいるんだ。ほら、地域の公共図書館とか行った事ないかな? 本の貸出とかやってくれるんだけど」
「確かそんな人もいたような……。でも、最近じゃ貸出は機械を使って自分でやるよね」
「そうかもね」
詩道が笑顔でうなずいている。3人は、今までこんなに表情を出す詩道を見たことがない。本当に目の前にいる詩道が、自分たちの知っている詩道なのか分からなくなるほどだった。
「管理人もそんなに変わらないけどね。ここの図書室の管理をしてるんだ」
「お前、魔法使いか何かか?」
「そんなところかな」
「浮いている本は、詩道くんが浮かせているの?」
今度は日奈が図書室を見渡しながら質問する。詩道はまたうなずいた。
その質問は矢一と波美も知りたかったことのようで、静かに答えを待っていた。
「そうだよ。本棚に入りきらなかった本を浮かせてるんだ。おれ、片付けがちょっと苦手でさ。あと取捨選択。いるものといらないものを分けるのが下手なんだ。だから気に入った本を全部お願いしたら、届いたときに入りきらなかったんだよ」
「は?」
「あぁ、ごめん。分からないよね」
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