2.魔法の図書室

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「管理人? 司書?」 矢一が呟くようにたずねた。詩道は3人に向かって、管理人と司書について説明した。 「司書はどこの図書館にもいるんだ。ほら、地域の公共図書館とか行った事ないかな? 本の貸出とかやってくれるんだけど」 「確かそんな人もいたような……。でも、最近じゃ貸出は機械を使って自分でやるよね」 「そうかもね」 詩道が笑顔でうなずいている。3人は、今までこんなに表情を出す詩道を見たことがない。本当に目の前にいる詩道が、自分たちの知っている詩道なのか分からなくなるほどだった。 「管理人もそんなに変わらないけどね。ここの図書室の管理をしてるんだ」 「お前、魔法使いか何かか?」 「そんなところかな」 「浮いている本は、詩道くんが浮かせているの?」 今度は日奈が図書室を見渡しながら質問する。詩道はまたうなずいた。 その質問は矢一と波美も知りたかったことのようで、静かに答えを待っていた。 「そうだよ。本棚に入りきらなかった本を浮かせてるんだ。おれ、片付けがちょっと苦手でさ。あと取捨選択。いるものといらないものを分けるのが下手なんだ。だから気に入った本を全部お願いしたら、届いたときに入りきらなかったんだよ」 「は?」 「あぁ、ごめん。分からないよね」
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