2.魔法の図書室

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詩道がくわしく説明しようとすると、図書室の扉が勢いよく開いた。 扉の外にはいつもと変わらない学校の廊下が続いている。 「こんにちはー! シドー、今日も来たよ!」 「こんにちは、(しん)。昨日言ってた絵本、見つけておいたよ」 「ほんと!?」 青色のランドセルを背負ってやってきた小柄な男の子は、図書室に入ってくるなり詩道にかけよった。心と呼ばれた男の子に対して、詩道はとてもフレンドリーに接している。 「こいつ、本当に詩道かよ?」 「なんか全然知らない人みたいだよね」 「でも、すごく活き活きしてるわ」 コソコソと3人が詩道について話している間も、詩道は笑顔で心に絵本を渡していた。 「これだ、これ! オレが好きな絵本だ!」 「見つかってよかったよ」 「本棚倒さなかったか?」 「……」 心の問いに対して、詩道は口をひき結んで目をそらした。心は詩道にジトッとした視線を向ける。 「シドー?」 「本棚は倒してないけど、本は散らかした……。でもちゃんと受け止めたから大丈夫!」 親指を立てた詩道は、ため息をはいた心にあきれられていた。見た目では心の方が年下に見えるけれど、この状況ではまるで心の方が年上のようだ。
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