1.フシギな少年

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「矢一くん、今日もジャンケンに勝ったみたいね」 「よくあんなに食べられるよね」 「すごいわ。私はもうお腹いっぱい」 日奈は淡いピンク色のワンピースの上からお腹をなでている。 詩道はごきげんにプリンを持って戻ってきた矢一を見てから、「ごちそうさまでした」と手を合わせた。 「詩道も食うか? 2つもプリンをゲットしたんだ!」 「おれはいいよ」 矢一が差し出したプリンを断ると、空になった食器を片付けに行ってしまった。 「あいつ、いつも素っ気ないよね」 「いつも本を読んでるわよね。何を読んでいるのかしら?」 「本っておもしろいか? 俺はゲームの方が楽しいけどな」 「あたしは漫画なら読むけど」 詩道がいないところで好き勝手に話す3人。詩道が席に戻ってくるのを見ると、違う話題に変えた。 「矢一はゲームがしたいんだよね。だったらトランプとかどう?」 「カードゲームか。いいな!」 「楽しそうね」 昼休みの遊びを決めた3人は、矢一がプリンを食べ終えるのを待ってから食器を片付けに行った。
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