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2.魔法の図書室
放課後になって、4人は図書室に向かって歩いていた。
ほとんど荷物の入っていない矢一のランドセルからは、筆箱の音がカタカタとなっている。
「嘘じゃないんだろうな?」
「嘘だったらなぐってもいいよ」
「い、いや、そこまでしねぇけど」
堂々とした言葉に、矢一はたじろいだ。
詩道について図書室にやってきた3人は、特に変わりばえのしない図書室に首をかしげた。
「今は普通の、いつもと同じ学校の図書室だよ。中をのぞいてごらんよ」
言われるままに扉を開けて中をのぞいた3人は、いつもと同じ普通の図書室を見た。
本の少ない図書室になんて、普段は図書の授業でしか入ることはない。今も中には誰もいなかった。
「これが魔法の図書室に変わるのか?」
「そうだよ」
「魔法を想像するだけでステキよね! 去年やっていたドラマにとても広い図書館が出てきたのだけど、それくらい広い図書室になっていたりして」
日奈がドラマの映像を思い出してうっとりしている。
「間違ってはないよ」
詩道もワクワクとした表情で4時になるのを待っていた。
今まで見たことのない詩道の表情に、矢一と波美があっけに取られている。日奈はまだうっとりとしていて、詩道の表情には気が付いていなかった。
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