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お互いに汗びっしょりだ。
シーツも湿って気持ち悪い。
「お風呂に入りたい」
そう言って耳朶を食むと、彪が笑った。
シーツやタオルケットを持ち、二人で裸のまま寝室を出た。
洗濯機を回し、バスタブにお湯を張る。
着替えを取りに自分の部屋に行くと、彪がついて来た。
「服とか、寝室に運ぶか」
「え?」
「入りきらない分はこのままでいいからさ」
彪が写真を手に取る。がすぐに置いた。
「さ、一緒に風呂入ろう」
「えっ! 一緒に? 無理です!」
「待ってる間に冷えそうだし、いいだろ」
私の意見など聞く気はないようだ。
恥ずかしい、が、早く汗を流したい。
背に腹は代えられず、私は夫に従った。
ただ、お風呂でのセックスは何としても阻止したく、最大限の警戒態勢でいると、彪に「もうしないから」と笑われた。
背後から抱き締められる格好で、バスタブに浸かる。
「なぁ?」
「ん?」
「月曜の午前、有休取るから」
「え?」
「色々、名義変更とかあるだろ?」
「名義変更……」
そうだ。
彪は婚姻届の『婚姻後の夫婦の氏』の欄の『妻の氏』にチェックをつけた。
本籍地はこのマンション。
これにより、私たち夫婦の戸籍の筆頭者は私になった。
圧倒的多数で、婚姻後は妻が名義変更に奔走するだろう。
だが、私たちの場合はそれが彪で、クリスマスが終わったら年末で、早くしないと全ての手続きが年明けになってしまう。
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