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そうしていると、触れられていないと寂しく思えてくる。
洗脳に近い心理状態かもしれない。
だから、だ。
そうでなければ、頷かなかった。
「このまま、シていい?」
後で、冷静になって考えてみたら、気づけた。
彪は、始める前から気づいていたことに。
だって、最後の一つを使った時に、それが最後だとわかったはずだ。
なのに、彪は私をその気にさせた。
「これで最後だから」とまで言って。
身体中を撫でられ、舐められ、泣かされ、喘がされた。
きっと、三日間で一番念入りに蕩かされた。
それなのに、イカせてもらえなくて、私の身体は疼きに疼き、ある種の極限状態にあった。
だから、だ。
「挿れて……」
彪がどんな表情をしていたかはわからない。
泣き過ぎて、何も見えなくなっていたから。
「ここに――」と言いながら、彪が私の臍の辺りを掌で撫でる。
それだけでも、息が上がるほど身体中敏感になっていた。
「――俺の……出していい?」
何度も言う。
私の精神状態は正常ではなかった。
なぜなら、『挿れて』と言ったのに、『出して』いいかと聞かれたことの意味がわからなかったから。
「早くぅ……」
「椿、駆け引きってのはこうするんだよ」
耳元で囁かれたが、ほぼ同時に貫かれて、意味までは分からなかった。
「ああーーーっ!!」
挿入と同時に達してしまい、揺さぶられる度に首を振るだけで精一杯の私は、仕事始めに遅刻ギリギリで駆け込むなどという失態とともに、新年をスタートさせた。
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