18.信じる気持ち

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「まあ、ね。あ! けど、彪さんに泣かされたら連絡して? 麗さんと一緒に殴りに来るから」 「なんでれ――京谷まで」 「えー。だって、俺と麗さんが結婚したら、椿ちゃんと彪さんの義理の妹になるんだよ?」 「は?」 「結婚するの!?」 「うん。口説いてるとこ。ってわけで、俺は東京に行くね」と言うと、倫太朗はスタスタと玄関に向かう。  私と彪は驚きながらも後を追う。 「あ! 俺と麗さんからの結婚祝いは後で届くから。じゃ、ね!」  早口でそう言って、倫太朗はさっさと出て行ってしまった。 「忙しないな……」  彪が鍵をかけながら呟いた。  本当に。  お陰で、涙も引っ込んだ。  リビングに戻った私たちの前には、着物。 「さっきはああ言ったけどさ――」と、彪は広げた袖を戻しながら言った。 「――本当の父親を知りたければ、協力するぞ?」 「え?」 「DNA検査は無理でも、椿が生まれた時のこととか、調べようと思えばわかると思う。母親の実家を突き止めて話を聞くとか、当時のことを知っていそうな友人を探すとか。真実と言えるかはわからないけど、かなり近いところまでわかるんじゃないか?」  確かに、今まで探そうとも思わなかっただけで、このご時世、何かしらはわかると思う。  ただ、知りたいか、なのだと思う。  私は彪の隣に座った。
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