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「彪さんはいつも格好いいです。いち清掃員の私を気遣い、自宅まで送り届けてくださいましたし、資料を折っただけの手伝いのお礼にと美味しいコーラをご馳走してくださいました。更に! 三つも願いを叶えてくださいましたし、私の人生を救ってくださいました! どこをどう取っても、格好悪いことなどありません! 彪さんは、最高です!」
思わず熱が入り、胸の前で両手を強く握っていた。
いけない、私の悪い癖だ。
ささっと距離を取ろうとして、逆に手首を掴まれて引き寄せられた。と同時に、唇が重ねられる。
彪のキスはいつも唐突だ。
最近では、何となく予測できるようになっていたが、それでも驚かされる。
「ふぅ……ん」
この話の流れでなぜいきなり濃厚なキスをされているのかわからないが、私の口内を蹂躙する彼の舌が気持ち良くて、疑問などすぐに吹っ飛んだ。
「んっ……!」
息継ぎもままならない。
気持ち良さと苦しさから、眦に涙が滲む。
やっと唇が解放され、はぁっと大きく酸素を吸い込む。
「嬉しいことを言ってくれたお礼と、俺をさんづけで呼んだ罰で、これから俺たちのお姫様を作ろう」
「えっ!」
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