番外編*1 R&R

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*****  彪さんからの電話で居酒屋に行った。  椿ちゃんに置き去りにされたお姉さんを、送り届けて欲しいと頼まれたから。  今朝、大阪から戻った俺は、既にほろ酔い加減で彪さんに聞いた。 『おっぱい大きい?』  彪さんが引いているのが電話越しにもわかった。  彪さんから、『ああ。大きい』と聞いて、俺は財布とスマホと鍵をポケットに突っ込み、マンション前の待機場にいるタクシーに乗り込んだ。  二十分ほどで店に着き、案内されて部屋に行くと、好みど真ん中の年上の綺麗でおっぱいの大きなお姉さんが、目をとろんとさせながらラーメンをすすっていた。  彪さんの名前を出すと、お姉さんはなんの疑いも迷いもなく、俺に酒を勧めた。 「彪になんて頼まれたの?」 「え?」 「可哀想なバツ二の欲求不満女がいるから、おっぱいでも揉んでやってくれって?」  頬杖をつき、流し目で見つめられ、足の付け根が巨大化し始める。 「可哀想なバツ二なの?」  年下だと侮られないように、気取って聞いた。 「そーよ。バツ二で、欲求不満で、元カレがラブラブエッチするのを妬むような哀れな女」  ふふっと笑うと、ジョッキに半分ほど入っているビールを一気に飲む。  そうか。  お姉さんは彪さんの元カノで、彪さんと椿ちゃんはラブラブエッチか。  わかっていたことではあるが、少しだけ寂しく思う。  ずっと、椿ちゃんの幸せを願っていた。  実の家族よりずっとそばにいて、きっと普通の姉弟よりずっと仲の良い姉弟関係。  昔、好奇心から椿ちゃんとセックスをしたが、互いの感情は家族の情であるとわかり、それ以降は本物より本物らしい家族として接してきた。  けれど、だからこそ、椿ちゃんと結婚したら本物の家族になれる、と本気で思っていた。  椿ちゃんは家族になりたい男を見つけちゃった……。
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