番外編*1 R&R

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 年上好きなのは、子供時代に母親に甘えられなかった反動かもしれないが、年上を乱れさせたいなんて、なかなか相手に恵まれない。  居酒屋でお姉さんを見た時、確かに好みだと思ったけど、それ以上に、なんて言うか、雰囲気が無防備で、いままで寝てきた隙のないバリキャリとは違った。 「きゃあっ!」  夢中になっていたら、イッた弾みでバランスを崩したお姉さんの膝がカクンと折れた。 「わっ!」  咄嗟に腰を抱き寄せる。彼女の身体が俺に覆い被さり、そのままひっくり返る。  俺は尻もちをついたが、お姉さんを抱きとめることが出来た。 「大丈夫?」 「んっ……」  大きな胸を上下させて、身体を預ける彼女を強く抱き締める。 「ごめんね、夢中になっちゃった」 「そ? 意地になってるんじゃなくて?」 「え?」  お姉さんが顔を上げて、ふふっと笑う。  手を伸ばされ、頭を撫でられるのかと思った。が、違った。  俺の頭に乗っかったままのブラジャーを掴み、ポイッと放る。 「慣れてるのね、セックス」 「え? あ、いや」 「ちゃんと避妊してる?」 「……うん」  子供を持つ気のない俺は、避妊だけは怠らない。  安全日だと言われても、不妊症だと言われても、ゴムを着けないことはない。 「なんか、おばさん臭いこと言っちゃったね」 「そんなことないよ」  お姉さんは身体を丸めて俯く。  表情が見えない。 「年、いくつ?」 「え? なんで?」 「私、ずいぶん年上よ」 「うん」 「気にならないの?」 「年上のお姉さん、好きだよ」 「相手を選ばないと、結婚とか迫られちゃうよ?」 「迫るの?」 「迫っちゃおうかな。いいとこ住んでるし、いいもの着てるし、いいとこのお坊ちゃんでしょ? お金に困らずに暮らせそう」  言葉とは裏腹に、声は冷静で、感情が見えない。
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