番外編*1 R&R

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*****  毎朝、カーテンをつけなければと思う。  住み始めて三年になるのに。  朝陽に照らされて目を覚まし、窓に背を向けて二度寝。  そこで、気づいた。  お姉さん――!  ガバッと身体を起こし、いつもと変わりない、何もない部屋を見回す。  ボクサーパンツを穿き、洗面所を覗くが、昨夜脱ぎ散らかしたお姉さんの服は綺麗になくなっていた。  リビングに入り、すぐにテーブルの上のメモに気づく。 『素敵な夜をありがとう』  名前も聞いていない。  一度じゃ足りないなんて言っておきながら、寝落ちした。  サイアクだ――――。  テーブルの上の本に目を落とし、彼女の言葉を思い出す。 『お金に困らずに暮らせる境遇を大事にして』  ずっと、親に顧みられずに生きてきた。  それなのに、当然のように、朱月堂で働くように言われ、他の選択肢を奪われた。  それでも、いつか、自分だけの居場所を見つけたくて、何かしておきたくて、思いつく勉強をしている。  バカなお坊ちゃんだって思われたままは……嫌だな。  身体が熱い。  昨夜から、お姉さんの熱に浮かされたまま。  俺は急いで身支度を整え、部屋を飛び出した。
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