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暗闇の中で
私は目を閉じて座り込んでいた。
自分を守るように、身体を精一杯抱き締めて。何故か分からないが、酷い恐怖に駆られ、身体がガタガタと震えていた。
「ここは一体どこなんだろう?」
辺りは一面の暗闇で一筋の光すらない。
そんな暗闇の中にいつからいたのかも思い出せない。
「や~っと目が覚めたのね!待ちくたびれたわ。」
いきなり、遥か頭上から声が聞こえて、私はヒッと軽い悲鳴をあげてしまった。
「そんなに驚かなくてもいいじゃない。」
その声はクスクス笑いながら、頭上から地上に降りてきた。
顔を上げると、一人の女の子が、目の前に立っていた。
ツインテールにした黒い長髪、フリルのついた黒いワンピース、黒い靴下、黒い靴・・。
そして大きな黒い瞳。肌だけは白い。
全身黒ずくめの可愛い顔立ちの女の子だった。
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