暗闇の中で

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シロは真剣な目つきで口を開いた。 「私は不公平は嫌いなの。だから、クロが言わなかった貴方の人生を補足するわ。 親友の一人に漫画家志望の子がいるって言ったわよね。貴方もその子に負けないくらい、アニメやマンガが大好きで、よく絵を描いていたの。 自分も漫画家になりたいと思っていたけど、親友があまりにも先に進んでしまって、周りに言えなくなってしまった。でも、貴方は貴方のペースで絵の練習を続けていたわ。夢を叶えるために。 それと、三人の親友は貴方の異変に気付いていたわ。同じ中学校の二人が別の中学校の子に知らせてね。自分からは何も言ってこない貴方をどう励まそうか、何が出来るか、三人とも悩んでいたのよ。 両親も気付いてはくれなかったけど、貴方のことを心から想ってる。愛してくれてるのよ。」 「ハイハイ!ストーーップ!!」 クロが手を叩きながら大声をあげた。 「あんたのその話しぶり、聞いてるだけで寒気がしてくる!もう充分でしょ。あまり時間もないわ。交渉に入らせて。」 私はまだ話の内容が飲み込めていなかった。 衝撃的な辛い話を聞かされて、矢継ぎ早にフォローされて、頭がついていけなかった。 自分の話だとは思うけれど、展開が早すぎる。 「ちょっと、待ってよ。いきなり色々言われてもついていけないよ。休ませて。」 私は、二人の少女に抗議した。
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