暗闇の中で

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二人の少女はお互いを見合って、「たしかに」と同時に頷いた。 クロが手で髪の毛をすきながら、少し申し訳なさそうに 「考える時間はあげるから、交渉内容だけ説明させてくんない?」 と言ってきた。 今までと少し違うクロの低姿勢な態度に思わず私は首を縦に振ってしまった。 クロが、 「私には特殊能力があるの。あんたが私に魂をくれたら・・つまり、生まれるのをやめたら、私はあんたに今の人生より確実に幸せな来世をあげる。今生まれるのをパスして、来世にした方が、幸福度の高い人生が送れるの。悪い話じゃないでしょう? そりゃ、全く苦しみのない人生なんてあげられないけど、あんたの人生の苦しみは中学時代で、終わらない・・。もう続きを延々と話す時間はないけど、本当のことよ。」 とハッキリとした口調で話した。 シロが堪らず、口を挟んだ。 「誘導尋問じゃない。 クロの能力は生まれる前の魂を吸収すると、自分の若さを保つことが出来るの。 でも、対価に、吸収した魂に来世を与え、なおかつ、今生まれてくるより、確実に幸せな人生を与えなくちゃいけない。 そういう決まりの能力なの。クロはいつまでも若くいたいから、生まれる前の魂を惑わせるの。」 今一度、クロの容姿を見ると、言っていることが嘘ではない気がした。艶のある黒々とした髪、眼が大きくてまつ毛も長く、可愛らしい唇。肌も艶がある。身体もスラッとしていて、若々しい。双子のはずのシロと比べると格段に若く見えた。
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