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分かるはずがなかった。
(生まれる前の魂?選択?何を言っているの?)
ますます自分の状況が飲み込めず、恐怖を通り越してパニック状態になった。
そんな私の心が読めるのか、私が頭を抱え出したからか、黒ずくめの女の子は、ため息をついて、
「そのパターンか~。もう慣れたけど。
たまに怒り出す奴とかいるから、それよりマシか。
まぁ、理解とかしなくていいからまず、聞いて。
私はあんたに、これからのあんたの人生がどんな人生なのか教えてあげる。
それであんたは選択するの。このまま生まれてくるか、それとも、やめとくか。」
と淡々と話した。
そして、少女はいつの間にか持っていた、リボンのついた黒いカバンから、黒いノートを取り出してペラペラと捲り始めた。
私は言葉も出せず、ただ少女を眺めていた。
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