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少女はページを捲り、あったあった、と言いながら、話し始めた。
「あんたは、19XX年、9月13日、23時56分に
XX病院で産まれる。標準体重の健康ベイビー。女の子よ。父、優也、サラリーマン。母、真理子、専業主婦。一人っ子。ここまでOK?」
「OK?って言われても・・。」
全くデタラメな話かもしれないが、具体的なことをポンポン言われると、少し信じてしまいそうになった。
「半信半疑。意味不明。理解不能。
OK~OK~。」黒ずくめの少女は軽い感じで答えた。こういうシチュエーションには慣れっこのようだった。
少女は事務口調で話を続けた。
「引っ込み思案で、無口な性格のあんたは、
保育園、幼稚園に通うけど、友達は殆んど出来ず、小学校に入学。
でもここからあんた、ラッキーゾーンに入るのよね。小学校は、優しくて世話好きの子が多くて、人見知りのあんたでも仲間はずれにされたり、苛められたりもしない。それどころか、あんたと気の合う親友が3人も出来る。」
私は、段々、根拠がない、嘘かもしれないと思いながらも話に惹きこまれていった。
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