day.3

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day.3

 お母さんと過ごすようになって三日目。   今日はこの時期には珍しく、少し涼しい。  適当な朝ごはんを済ませると、昨日同様ラフな格好のお母さんが口を開いた。 「今日はピクニックに行こう」 「……はい」  何を言っても振り回されるなら最初から頷いたほうが早い、と諦めた。  お母さんはそんな娘の気持ちが分からないのか、やはり無邪気に諸手を挙げた。  そして勢いよく立ち上がって準備を始めた。と言っても、貴重品とレジャーシートだけだったが。    ピクニック、と言っても大袈裟なものでない。  マンションから出て数分のところに少し大きな公園がある。  そこの原っぱで食べるだけだ。  道中この前鉢合わせたコンビニでおにぎりと飲み物を適当に購入した。    公園も昨日同様、家族連れが多かった。  鬼ごっこをする兄弟にキャッチボールをする親子。私とは縁がなかった光景に、どうしてか胸の奥がじりじりと焦げる想いだ。  並んで少し早めのお昼を食べた。 「コンビニでごめんね。お母さん料理出来ないから……」 「大丈夫」  正直言って、あんな部屋で、不清潔そうな調理器具で作られたものは食べたくない。  でも、外で並んでいるおかげか、いつもよりスルッと言葉が出た。  ゆっくりと食べながら、会話した。と言ってもほぼお母さんの独壇場で、たまに聞かれた質問にポツリポツリと答える程度だっだけど。  ご飯を食べ終えても、足を伸ばしてぼんやりとした。 「今日はいい天気でよかったね」 「うん」 「明日は雨だってさ」  お母さんは「ほら」とスマホを見せてきた。明日は雨なんだ……  狭い室内に二人きり。息が詰まりそうだ。
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