第3話 第三王女カーネリア・パルム・ウィストランテ

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第3話 第三王女カーネリア・パルム・ウィストランテ

「んぐ、んぐ、んぐ……。プッハァアアアアッ‼ おう、次だ、お代わりだ、ドンドン持ってこいっ‼」  次から次へと大ジョッキを飲み干していく(かたわ)らで、 「おらぁ~、オメーらもちゃんと飲んでるかぁ~♪」 「「「「「あったりめーよぉ~~っ♪ ギャハハハハハッ♪」」」」」  ってなもんで、イイ感じに酔いが回ってくるような中、ソレは起こった。 「――全員っ、静まれぇえええええええっ‼」  ビリビリビリィッ……‼  一際デカい怒鳴り声が酒場全体に響き渡ったかと思いきや、静まり返る酔っ払い共……。  シィーーーーーーーーーーン……。 「「「「「………?」」」」」  と、この場にいた全員の視線が酒場の入り口に突っ立っている男へと注がれていく。 「………………」  そこにいたのは俺と同じく、年の頃は16~18くらいの茶髪の兄ちゃん……。  と、今しがたの横柄な命令口調もそうだが、およそ誰の目にもこんな酒場なんかには似つかわしくない雰囲気を醸し出していて……。  そのことは野郎が着けている鎧一つとっても窺い知ることができた。  普通、冒険者が着ける鎧ってのは、実用性を重視した上で少しでも動きやすいようにとなるたけ装飾の類はあえて省くもんなんだが……。  野郎の鎧ときたら、コテコテに無駄に装飾などを施した豪華絢爛仕様の、如何にも貴族様が飛び上がって喜びそうな……。それこそ鎧とは名ばかりのどちらかというと美術品の類だな、ありゃあ……。ま、売ったらいい金にはなりそうだがな♪
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