『この赤い糸の先に』

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【切ない三角関係は実体験から】  私自身、学生時代に友達と好きな人がかぶり、思い悩んだことがあります。ある日、友達から「相談にのってほしい」と告げられた想い。「実は私も…」と言い出す勇気がなかなか持てず、自分の気持ちを隠して友達の相談に乗り続けた結果、友達と好きな人が付き合うことになった……という苦い経験です。  今作の咲綾はふたりが付き合い出してから自分の気持ちに気づく……というパターンでしたが、好きな人と友達が仲睦まじくしている姿を常に近くで見ていないといけない苦しさは、その当時の私と通ずるところがありました。  なので、咲綾ちゃんには幸せになってほしい気持ちが本当に強かったです。 【幼馴染への憧れ】  咲綾と将人は強い絆で繋がった幼馴染の関係でしたが、これはもう……完全に私の憧れをそのまんま形にした感じです、はい。笑  親が転勤族だったので、幼馴染という存在がいませんでした。こんな人が幼馴染でいたらいいなー!という私の願望の塊です、将人は。私も将人と付き合いたいです! 【咲綾という子】  咲綾みたいな正義感が強くて綺麗過ぎる発言をする人って、相手によってはウザがられると思うんです。「優等生ぶるなよ!」「綺麗事ばかり言っていてイライラする」って具合に。でも、そんな彼女だったからこそ、神様の心を掴むことができたのでしょう。将人も基本的に他人の悪口を言わない「性格が良い」タイプなので、真っ直ぐな心を持った優しい咲綾に惹かれるのは自然な流れだったのです。 【赤い眼鏡について】  あの謎のアイテム……。実は、綰禮(たがり)の視界をそのまんま物質化したものなんです。白黒の景色に白い糸と赤い糸。それが彼女が見てる景色です。でも、普段はもちろん、人間と同じようにフルカラーで見えてます。神力を使う(赤い糸を繋げる相手を決めて繋ぐ)時のみ、ああなります。彼女は自分の視界を咲綾に貸したわけです。  ちなみに、咲綾が眼鏡をかけた時、自分の糸だけ赤く見えましたが、実際には誰の糸でも赤い色をしています。綰禮(たがり)が糸を繋げる仕事をする際、目的の人の糸へ神力を集中させると、それ以外の糸は白く見えます。目的の糸をわかりやすくするためです。 【赤はテーマカラー】  お気づきの方も多くいらっしゃると思いますが、この作品には赤色が頻繁に出てきます。赤をこの物語のテーマカラーにしているのです。赤い眼鏡、赤い糸、赤とんぼ、そしてラストの夕日。プロローグのタイトルを「赤い眼鏡」、エピローグのタイトルを「赤とんぼ」にしたのも、です。赤から始まって赤で終わるという流れにしたかった! 【謎の存在】  「綰禮(たがり)と話してたの、誰?」って声が聞こえてきそうです。……はい、私にもわかりません(笑)。彼女と親しい存在であることは確かですが、その詳細ははっきりと決めて表現してしまいたくないなと思い、謎なままにしました。
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