花筏

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次に目が覚めた所は病院のベッドの上でした。 母が花瓶を持って入って来ます。 「地植えの珍しい花が咲いてたから」 「花なんて……」 それはハナイカダでした。葉の上に小さな花が乗っています。 「お父さんも暴力が酷かったけど、あんたも辛かったね。いい人がいたなんて……」 「ねえ、お母さん、ハナイカダの花言葉知ってる?」 「何だい」 「嫁の涙っていうのよ」 母の感心した様な、悲しそうな顔がなんだか可笑しくて、笑いそうになりました。 「後で、刑事さんが事情聴取に来るって」 そう言って、母は出て行きました。 ねえ、あなた。私はとても自由な気持ちです。 あなたは、どう思うでしょう。 「私……地獄に落ちるんでしょうね」
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