0人が本棚に入れています
本棚に追加
/4ページ
次に目が覚めた所は病院のベッドの上でした。
母が花瓶を持って入って来ます。
「地植えの珍しい花が咲いてたから」
「花なんて……」
それはハナイカダでした。葉の上に小さな花が乗っています。
「お父さんも暴力が酷かったけど、あんたも辛かったね。いい人がいたなんて……」
「ねえ、お母さん、ハナイカダの花言葉知ってる?」
「何だい」
「嫁の涙っていうのよ」
母の感心した様な、悲しそうな顔がなんだか可笑しくて、笑いそうになりました。
「後で、刑事さんが事情聴取に来るって」
そう言って、母は出て行きました。
ねえ、あなた。私はとても自由な気持ちです。
あなたは、どう思うでしょう。
「私……地獄に落ちるんでしょうね」
最初のコメントを投稿しよう!