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(下)そして未来の真実
こうして二人は付き合いを始めた。
側から見ても仲睦まじく、嫉妬するほどお似合いのカップルだった。
やがて男と女は結婚し、男の願い通り一匹の犬を飼った。保護犬の里親になったのだ。それが男の希望だった。
男の希望を叶えるには独身では難しい。結婚することで里親になれたのだ。
その間に子供が二人生まれた。
子供を育てるのは大変だったが、子供たちは犬とも仲良くし、素直に育っていった。
妻は美しく、いつも若々しかった。
子供たちが10代の半ばに差し掛かる頃、年老いた犬は息を引き取った。
家族は手厚く弔ってやった。
その数日後、男はぽっくりと死んだ。まだ死ぬような歳ではなかったが、人生に満足した幸せな表情を浮かべていた。
妻は子供達と一緒に、本当に大事だった人々、良き友人たちだけを呼んで丁重な葬儀を行った。
妻は夫の墓に向かって語りかけた。
「いろいろ食べたけど、貴方の命が一番美味しかったわ」
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