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潤う内側に指を含ませると、千夜の身体が驚いたように跳ねる。
一本、二本、と指を増す度緊張するように身を固くする千夜に、まさか、と騰の中である疑問が浮かび上がった。
「……おい、千夜、お前、まさか初めてとか言うんじゃねえだろうな?」
「……へ? う、うん、初めてだけど……?」
当然のことのように答える千夜に、騰は仰天した。
確かにあの風俗は本番は禁止だが、この容姿と中身で今まで未経験だったなどと、どこの世界の男が想像するのか。
「いやっ、お前、そういうことはもっと序盤で言えよ! それなりに経験あると思ってそれなりに急いじまっただろうが!」
「えっ、そ、そうなの? なんかごめんね!? あ……でも、その……もしかしたら、初めて、って、面倒、だったりする……?」
急に不安げに眉を下げる千夜に、騰はあきれたように小さく息をついた。千夜にではない、自分自身にだ。
よく考えてみれば、初めての女を相手にするのが、初めてかもしれない。
真面目すぎたり執着されても面倒なため、騰はそういう女性は意識的に避けてきた。
それなのに、千夜がまだ未貫通だと知った途端、この喜びようはなんなのだ、と。
「……そうだな、お前じゃなかったら願い下げだ」
「え……? ひゃっ!?」
「いいから、じっとしてろ」
「く、くすぐったい、よ」
「今から俺のがこの中に入るんだからよ、しっかり意識しとけ」
そう言って、騰は伸ばした舌先で腹のへこみを押した。
ヘソは内臓に近い。その皮膚の裏側、その中へ、もうすぐ騰が来るのかと思うと、千夜の身体は期待に震えた。
内腿から、中心へ、焦らすようにうねる舌が敏感な突起を愛でる。
同時に長い指が内側をほぐすように動き回り、千夜は未知の感覚に昇り詰めてゆく。
風船が破裂するかのように頭が真っ白になり、一気に全身の力が抜けた。
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