飛行機事故

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飛行機事故

 Dさんは、小学2年生の夏休みに、飛行機事故で両親を亡くした。  Dさん自身は、学校行事のキャンプに行っていたので事故には巻き込まれなかった が、キャンプ場でその知らせを聞いたとき、涙が枯れるまで泣いた。  遺体安置所に連れていかれたが、遺体は白い布に包まれていた。  最後に一目見てお別れを言いたいとお願いしたが、遺体の損傷が激しいという理由で見せてもらえなかった。  その夜、家に親戚が集まりDさんを誰が引き取るかの話し合いをしていた。  Dさんは部屋で一人泣いていた。  Dさんは急に両親が居なくなった事によるショックと、喪失感、孤独感、寂しさなど、色々な感情が押し寄せてきたが、幼いDさんは、ただ泣く事しか出来なかった。  ピンポーーン  インターホンが鳴った。  誰だろうと思い、玄関に行き、ドアを開けた。  両親が立っていた。  いつもの服装で、にこやかにDさんを見ている。  ああ、良かった、生きてたんだとDさんは泣きながら喜んだ。  母親はDさんを両手で包み込み、「ごめんね」と言って、優しく抱きしめた。  父親はDさんの頭を撫でて、「いつも見ているからな」と言って強く抱きしめた。  Dさんは両親に抱きしめられながらも、ああ、やっぱり死んでしまったんだと悟った。  そしてフッと消えるように居なくなってしまった。  Dさんは「行かないで!」と叫び、外へ飛び出した。  親戚が後ろから追いかけてきた。  Dさんは今、起こったことを親戚に話した。  「さっき窓の外からご両親がおじさん達の方に見てたんだよ。D君の事は大事に立派に育てるから安心しなって言ったら、お辞儀をしてフッと消えちゃったんだよ。でもインターホンの音は聞こえなかったな。D君にお別れを言いに来たんだな」  おじさんの家族はD君を実の息子のように受け入れてくれた。
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