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努力します…。真面目に努力します。
んー…、
お?英語?いやローマ字か?…Ichirou Tanaka、
あ俺だ。はい、私はたなかいちろうです。
隣の…これなに?
ichiroいちろう?
え?もう一回俺の名前?
「一路。」
あ、いちろ、なの、これ。一路。いちろ。へぇ、君なの?一路ちゃん?
「そうよ。」
彼女が頷いてる。可愛い。
えっとichiro ヴ?ぶぉ?…
「ボルティンスカヤ。一路・ボルティンスカヤ。」
…ロシア語で合ってたんだ。
えーと、なんだこの…93.5%て。えっ?!
これ、これ、これ!
DNA て書いてある?
DNA 、てあのDNA ?
で??ま?maでこれなに?
「マッチ」
マッチてmatchてこと?合致てこと?ロシア語でもマッチなの?
93.5 %で合致 て
これなに?oteこの次の字なに?
あとこのRがひっくり返ってるやつ。
「父親。」
え。
待って。
このロシア語は…鑑定書?
DNA が、合致、93 .5 %の確率で、たなかいちろうは 一路ボルティンスカヤの父親。
……リアルで、娘。
「だから、最初から、パパって呼んでるし。パーパ。」
そのかわゆさとガタイのよさと、93 .5 てなんか不純物がみょーに多めなのは、…それは、らっしゃん由来だからっ!て解釈でよい…?
「DNA が一緒だからいける、ていわれたから貰いに来たんだけど。もういい。自分のを持ってく。」
そして、ケロケロスタスタ、今度こそさよならって感じで帰ろうとする。
ちょっと待った。
今度こそ確実に脳みそを目覚めさせる。
大真面目に覚醒だ。
一路ちゃん、今いくつ。
「14」
時を遡る15年ほど。
脳みそ、廻れ廻れ廻れ。
うん。
ばっちり覚えてる。
ああ、俺、あの部屋に歯ブラシ、置きっぱなしだったや。
そこからとったんなら、そりゃ不純物が多かっただろう。
お顔をね、よく見せて。一路ちゃん。
ああ、そう、その顔だ。
確かに、その顔だよ。
「なに?パパ。」
うん、おっさんはね。年取ると涙腺が崩壊しがちなのよ。
今必死で堪えてるとこ。
そっか。受胎してくれた、そしてしかも、ちゃんと産んでくれてた。そういうことだな。
そっか。
「パパ。」
おう。涙腺崩壊させてる場合じゃないな。
「パパ。心臓くれるの?」
おう。やる。何でもやるぞ。
その前にお着替えだ。
お出掛けだからね。
…やっぱりここはスーツかな。
えっーとっ、確かここらに、まだあったはず、綺麗なシャツとか靴下とか…、お、よしよし。
「…パパ。」
うん、もちっとまって。髭も剃りたい。
だって、ほぼ15年振りのおデートだぞ。
メかしてイカしてカッコつけて、だ。
「パーパっ!」
よし!できた。どぉ?
「…パパァ。」
ま、年はとった。それは認める。さ、行こうか。
「パパ?」
「ベルゼブブ」に逢いにいく。
実は昔の[職場]の[同僚]なんだ。
「え。」
今すぐ逢いに行くよ。
俺の蝿のクィーン。麗しの愛しいベルゼブブ。
手土産は俺の心臓。
quarterかハチブンノイチかのロシアのDNAとその地に[親戚]を持ってる君の「ママ」だよ。
本名がボルティンスカヤ、てのは今知ったとこだけど、
「パパ?」
秘密の暴露をひとつするとね、
ベルゼブブは、俺が秘かに「ママ」につけてたアダ名なんだ。
うーん、きっちり、バレてたんだな。。
「ベルゼブブて、…ママなの?」
ま、勤務勤務任務任務の途中で勝手に嫌気が差して、厭世感がマシマシで、バックレて逃げた俺と違って、「ママ」は、真面目に「仕事」を続けたらしいな。そしてちゃんと君も産んで育てた。
「パパ!」
…あれ?じーん…て、カンドーしてたんたけど、…ダメだった?
「あたしの望み!」
あ、そうだった…。
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