東大理三に現役合格できた理由

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小学6年生の春先まで、全く勉強できませんでした。クラスでも下から数えた方が早くて、同級生の女の子に「君の頭はプチトマトね」と言われたことまであります。別に傷つくこともなくヘラヘラ笑ってましたね。 でも、ある出来事が起こってから状況は一変したんです。いつものように下校途中、友達みんなでふざけ合ってランドセルの引っ張り合いが始まったんです。僕もそれに巻き込まれて、背負ってたランドセルを後ろから引っ張られたんです。僕も逃げようとするし、引っ張ってる子も離すまいともがく。 そうこうしてるうちに、ブチっと音がして引っ張る力が抜けたんです。ランドセルを調べると、留め具近くの皮が破けてたんです。なのでランドセルは閉めることができなくなってしまったんです。引っ張っていた女の子は顔面蒼白で、何度も僕に謝ってきます。 まあ入学した時から使ってるので仕方ないと思い、その日はそのまま帰りました。ただ、あのランドセルが破けるブチっという音がずっと頭の片隅に残っていました。 その時からです。僕の頭に異変が起こったのは。その日帰って宿題の教科書を開くと、書かれている内容が絵になって頭の中に浮かぶようになっていたんです。国語はもちろん、算数や理科も全て絵になって頭の中に入ってきます。どれだけ細かくて難しいことが書かれていても、一目見るだけで絵になって内容を理解できてしまいます。それまで触れることさえしてこなかった新聞の内容もすぐに理解できます。僕が新聞の内容をベラベラ話すと、親たちはびっくりしてましたね。 それから学校での成績は上がり続け、ここまでトントン拍子でした。偏差値70以上の私立中学に合格し、東大理三に現役合格し、国家医師資格と弁護士資格を取得しました。 これも全て、絵になってイメージできる力のおかげです。この力は、あのランドセルが破ける音から始まったのです。ブチっというあの音は今でも、僕の頭に残り続けています。あのとき、あの場所で、新しい自分に生まれ変わったのです。
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