フレンチトーストの朝・6

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フレンチトーストの朝・6

 彼は私の上におおいかぶさり、また手と唇と舌での愛撫を繰り返した。私の足の指を口に含み、足の裏を舌でくすぐりながら、一本一本の指を丁寧にしゃぶる。  それから徐々に上に上がってきて、足首に触れられた時、足首も性感帯なのだと初めて知った。  でも、すねだろうがふくらはぎだろうが、彼が触れるところは全て感じたのだから、そんなことは関係ないのかもしれない。  太腿にゆっくりと舌を這わせた彼が、ああ、とため息をついた。 「俺、別に脚フェチじゃないけど、奈月の太腿、柔らかくて気持ちいい」 「どうせバニーちゃんたちみたいに細くないもん。ついでに、彼女たちみたいに胸も大きくないし」 「妬いてんのか?」 「ちっ、違いますよーだ」  拗ねた声を出すと、彼は喉の奥で笑い、大きく音を立てて太腿にキスをした。  そして、制服のズボンを脱いで私の手をとり、自分の股間に当てる。ボクサーブリーフの下で、大きく自己主張している彼のペニスは、すでに硬くなっていた。  初めて触れる男性のそれに、私はどうしていいのかわらかなかった。 「俺、半分不感症ぎみでさ。女にしゃぶってもらわないと、勃起すること、ないんだよ」  言いながら彼は下着を下ろす。中から出てきたそれは勢いよく彼の腹に反り返った。初めて見る、グロテスクとも取れる物体に、私の視線は釘付けになってしまった。 「何にもされてないのに、こんなになるの、奈月だからなんだぞ?」 「これ……。これが、私の中に入ってくるの?」  じっと見つめながら私は訊いた。どうやったらこんなものが入ってくる余地があるのだろう。そんなに大きな穴が開いていたっけ、と自分の足の間を見たくなってしまう。てっぺんの三角の部分は子供の握りこぶしくらいありそうに思えた。 「ああ。最初は痛いかもしれないけど、我慢してくれ」  私は意を決して、そのてっぺんにキスをした。 「なっ、奈月ッ?」  いつも余裕たっぷりの彼が、心底驚いた顔をして、声を裏返して私を見た。そっと唇をつけただけだったけれど、そのてっぺんの穴からは透明の液が更に溢れてきた。 「だって、これも、駿ちゃんでしょ? 駿ちゃんの物は何でも、大好き」  私がそう言うと、彼は突然思いつめたような顔をした。  私の下着に手を掛けると、一気に引き下ろして足首から抜き取った。そして私の足の間へ体をねじ込んで、ため息と共に吐き出した。 「……馬鹿が。優しくしてやろうと思ったのに」  私は小さく悲鳴を上げたけれど、彼には聞こえていなかった。私の両足を自分の肩に乗せ、浮いた腰をぐっと自分の顔の前に持ちあげた。秘所が彼の目の前にさらけ出されて、私は恥ずかしくて身をよじった。 「や、や……だァ」 「今日は我慢しないって言っただろ」  彼の指が私の割れ目に沿って動いた。誰も触れたことがない、誰も見たことがない私の一番大切な部分。そこを彼はまじまじと見つめ、溢れていた液体を指でねちゃねちゃとねぶっていた。  とろりと垂れた蜜を指ですくい、割れ目の一番上の突起に塗りたくるようにしてそこをこねた。 「こりこり硬くなってる。俺が何もしなくても中から溢れてくるしな。奈月のここ、震えてるんだぜ?」  チュっと音を立てて彼は私の赤い割れ目に口づけた。我慢なんて、できるわけがなかった。私は何度も声を上げた。やがて彼の舌が中に入ってきて、私は経験のない感覚に、今度は息を止めた。これが快感というものなのだと、初めて知った。  彼が起き上がって、はちきれそうな棒を私の穴にあてがった。不安で、怖くて、私は固まってしまった。それに彼は気づいたのか、私の上にかぶさって抱きしめてくれた。 「大丈夫だ、奈月。できる限り、ゆっくりするから」  そしてぐっと腰を私の方へ寄せた。さっき私がキスをした傘の部分が、私の中へ侵入してきたのが分かる。私は彼の背中にしがみついた。  奈月、と彼は私の名を優しく呼び、言った通りゆっくりと腰を進めていた。彼の熱を帯びた吐息が私の耳をくすぐる。それだけで私の体は震え、痺れるような感覚が突き上げてくる。 「なあ奈月。誰の中より、一番、あったけえよ」  熱いの間違いじゃないの、という言葉は、声にならなかった。
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