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「リカ、おめでとーう!!」
「ほら、願い事してろうそく吹いてー!」
ケーキの上に立てられたロウソク。
願い事?
いきなり言われても。
願い事、何にしよう...?
とりあえず、素敵な彼氏ができますように...!
ふーっ!
リカはケーキに向かって勢いよく息を吐き、蝋燭の火を吹き消す。
「リカ、まだ一本残ってるよー」
ナミが笑いながらそう言った。
ケーキの上には、消えずに火を燃やしているロウソクが一本だけ残っている。
その赤い一本のロウソクがドロドロと溶け、ケーキにポタポタと零れ落ちている。
溢れたロウは白いショートケーキの上に赤い色を放った。
まるで、白いキャンパスに赤い色を落としたようだ。
リカはめいいっぱい息を吸い込み、再びその蝋燭に息を吹きかけた。
「ふぅー!」
「ペアリング認知しました」
リカの耳元でそんな声がし、ロウソクの火が消えた。
えっ?何?今の声・・?
「やっと消えた!リカ二十歳おめでとう~!」
「おめでとうー!」
「おめでとうー!」
「ありがとうー!」
そう言ってリカは周りを見渡す。
リカの友人達は何事も無かったかのように笑っている。
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