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このパワーのことは誰も知らない。誰にも言った事が無いからだ。
いや、厳密に言うと昔、中学3年生の時、意を決して母親に言ったことがある。
しかしその時母親は「リカちゃんの考え過ぎだよ。なんか悩んでるの?」
とリカの話しを全く信じず、逆に心配されたのだ。
以来、変な子だと思われるのも癪なので、そのことについて何も誰にも、言わないようにしていた。
それが初対面のエレナはまるでお見通しかのように、リカの状況を察している。
一体・・?
なんで?
「あー、えーと。もっと説明が必要みたいね」
そう言ってエレナは苦笑いした。
「とりあえずここはトイレだから、一旦戻るね。あ、それから時計を絶対に装着して。そうじゃないと、またトラブルになっちゃう。赤の時計は服あわせにくいけど、気にしないで。あの時計は、私達以外には見えないから。細胞の一つって考えたらいいかも。じゃっ。リカちゃんのバイトが終わったらまた来るね。その時に説明するよ。チャオ!」
エレナが早口でそれらを言った途端、辺りはまた七色の光に包まれ、その言葉と共にエレナの姿は消えた。
「消えた・・」
しばらく呆然とする。
これは、夢?
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