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リカはそうするべくその扉を開けようと扉についている取手を手にした。
しかし、それは扉型の自動ドアでリカが近づくと
「認証しました」
という音声と共にドアが右にスライドしていった。
リカはその先に歩き出した。
中に進むと部屋が見えた。
物が何も置いていない部屋。
そこは殺風景だが、異空間を醸し出している。
なぜならば全てが赤い。壁も天井も。
リカは吸い寄せられたかのように、部屋のなかにはいる。
それらはギャラリーのような、アートな雰囲気を醸し出している。
突然光がさし、それと共に人影が見えた。
リカは眩しかったので一瞬目を瞑るが、直ぐに光は収まり目を開けた。
リカの前には白髪の丸眼鏡をかけた老人が笑顔でたっていた。
デニムにTシャツ。シンプルな装いのおじいさん。
手にはリンゴを持っている。
「ようこそ。リカさん。マーズルームへ!そして二十歳のバースデーおめでとう」
リカはポカーンとする。
誰?
というかここはどこ?夢だよね?
リカの心を読んだかのように、その老人は続ける。
「突然だから驚いておるようじゃけど、夢ではない。まあ、半分夢だが夢ではない。VRのような・・。
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