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かなりリアリティがあった。
身体を起こし、ベッドから立ち上がろうとした。
「あーーーーーーー!!!」
人生で一番大きい声を出したかもしれない。
リカの腕には赤い時計がついていた。
起きて顔を洗い、歯を磨く。
あの不思議な赤い時計は腕から外し、机の上に置いた。
もしかして、自身が酔っ払いすぎてナミの家かどっかから人の物を持ってきちゃった?
それであんな夢見たのかな?
鏡を見る。
いつもと変わりのない自身の顔。
変化といえばお酒を飲みすぎたのか、夜中までピザ屋やケーキを食べていた為か、幾分顔が浮腫んでいる。
鏡を見ながら問いかける。
「あれは、一体なんだったのだろう?」
手首を見た。
薄く、ほんのりと時計のベルト跡がついている。
「なんか、夢じゃないみたい」
そしてあの老人。
なぜか警戒心が湧かなかった。
何か懐かしい。
そんな気持ちすらした。
普通に考えて、普段であれば、あんなラフな服を着て、リンゴを持った丸眼鏡の老人なんて不審者だ。
しかしなぜか、リカに安堵感を感じさせた。
彼には清潔感があり上品な雰囲気があった。
そしてあの老人の言葉が蘇る。
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