火星人からの地球人からの

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「二十歳になったであろう。ようやく任務を遂行できる。リカさんは20年間地球人を色々見てきただ ろう。地球人の特性を学んだはずじゃ。ようやく・・・ 審査ができるということじゃな」 任務+地球人+審査 =? なんなの? もしかして・・ 私の長年悩んでいた不思議な呪いのパワーと関係があるわけ? 人を不幸にするというロクでもないパワー。 それなら、もっとあの老人に質問したら良かった。 しかし、人は突然の、予想だにしない出来事が起こると、圧倒されて対応できなくなるようだ。 その事態を映画を観てるが如く、見送っていた。 それにしてもあの赤い時計はなんなのだろう。 歯を洗い終え、机の上の時計を手にする。 訝しげに上下斜めと全体を観察する。 まるで茶道の器を拝見している時のようだ。 ディスプレイには時間、日にち、曜日が表示されている。 スマホを取り出し時間と日にち、曜日を確認する。 それは正確にリカがいる場所の現在の時間と日にち、曜日を表していた。 なんら変わりないスマートウォッチ。 ベルトは真っ赤。 派手だな。 赤の時計。 服を合わせにくい。 というか、これ大丈夫かな?
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