桜庭庸介

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目を開けて神田に問いかけた。 「神田、俺、知らなかったんだ…」 そして夏美が渡してくれたジンジャエールの蓋を開けた。 「その様ですね、・・・・先生?ジンジャエールいただいたんですか?」 「あぁ」と返事をすると 「先生がお好きな物を…」 ミラー越しに見える神田の目が細まった。 俺はぼんやりと近付く横浜の夜景を見ていた。横浜の夜景ってこんなに眩しかったっかな? そのきらびやかな夜景を見ながらジンジャエールを口にした。 そして心の中で呟いた。 「俺は今日、父親になった」
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