出会い

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運転をしながら雄作が聞いてきた。 「秋保、久しぶりに会った友達どうだった?」 「・・・・」 返事するもんか! 「俺さぁ、今日の小説セミナーすっげえ為になった」 「・・・・」 ぜ~ったい話さない!大体執筆の気分転換にボクシングジムに通ってる人のパンチなんて! 「秋保、何か話してよぉ、ごめんて言ってるじゃん」 「あっ!」 私は急に思い出した。 「えっ!何?急にびっくりするじゃん」 「あの人ナツミって私の事呼んだ。何でお母さんの名前言ったんだろう」 「え~っ、適当だろ?ナツミなんていっぱいいるじゃん。あんな車を運転手付きで乗ってんだから女に不自由してないだろうし、その中の女の名前適当に言ったんじゃねぇの?」 「そっか…」 「ねぇ、腹へらね?海ほたるで何か食う?」 「食べない!今日は雄作嫌い!」 「ハイハイ」 雄作は飽きれながら返事をして運転していた。私は右も左も真っ暗な海の先に見える工業地帯の夜景を見ながら今日のあの人の綺麗な目を思い出していた。あんな温かい眼差しで見られた事は今までなかった。雄作とは違う温かさがあった。
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