暗闇のあとで

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「では、アシスタントを紹介します これから2人で力を合わせ、沢山の迷える魂を 救ってください いささか問題がありますが、慣れてください そこに居るのが彼です 仕事は完璧です」 いつの間にか、12,3歳位だろうか? 私の横に立って居る 「おう、俺が8-Rだ,よろ~」 「よ、よろしくね」 問題がすぐわかった! 何と口の悪い子供なんだろう と思うが仕事が出来るなら、やむを得ずだと 納得するしかなかった 「今日からあなたは3-K5となります」 「何故名前でなく、ナンバーなの?」 「考えてください地球上の人間が、とめどなく 来るのです 1人1人に付けていたら名前が重なってしまう その様な事が起きると家系図に影響を与えるからです、お分かりですか?」 「なるほど、それもそうですね〜 世界中の1人1人の家系図だもんね 名前が追いつかないですよね、ふむふむ」 「名前だ~?くっだらねえ!」 「あんたねえ、マシな言葉遣い出来ないの!」 「お前の先輩だ!文句あんのかあ!」 「先輩でも少しは普通に」 「文句あんのなら、俺はてめぇの手伝いなんか しねえ!」 「いい加減にしないと、ランク下げますよ」 「うっせーククおやじ!」 「他の者に頼みます、それでいいですか?」 「辞めるなんて言ってねえし」 「しっかりフォローするのですわかりましたか?」 「おう!ククおやじ!」 さすがあのクソガキの扱い方慣れたもんだ いつもこんなやり取りしてるのか思わずクスッと笑ってしまった 「さて、この飲み物を飲んでください これはあなたを守る、回復薬です これを呑まないと、ここを出た途端あなたは 消えてしまいます 万が一の為ですから」 「消えたらどうなります?」 「当然、あなたの血筋全てが無かった事になります」 「分かんねえかなぁ! つまりおめえ達は、この世に存在しねえって 事だ! 先祖代々の過去にも分かったかあ?ばーか」 「なるほどこのクソガキ結構いい奴かも わかりました いただきます」 小さな親指と人差し指で、持てるくらいのコップを持つ ドロドロした血のよう見えるがキラキラとして いる 恐る恐る飲む、以外とサラリとしていた 味は水のような無味無臭 「これは迷った魂を見つける指輪です この指輪はあなただけの物つまり、あなた自身 なのです この指輪が全て覚えています、何の心配も いりません 赤色に光ると、そこに居るのが分かります その魂を導くのです ただ、死までを全うした人間には反応しないので、気をつけて下さい 黒色が光ると危険な状態にあると言う合図です その魂を浄化するのです やり方はあなたの考えた事が武器となります 落ち着いて考え指輪の力で指先から光が出ます それで悪い魂は浄化される しかし、そんな魂は人間の中に潜む事が多いのです 人間に危害を与えず、魂だけを抜き取るのです 更に、人間には悟られず記憶を消すのです 分かりましたか? くれぐれも気を付けてください。 服装はご自分で考えてください、動きやすい方が何かと便利ですから 「ええ〜着替えてもいいの? じやあ、こんなのどう?」 「ダッセ〜!」 「これなら、いいかも!」 あれこれ2人は着替えで盛り上がっている 着替えた所で、誰にも見えないのだが それを唖然と机の上に肘を付き顎を乗せ見ている 「やはり,これがいいわ!」 「俺もこれだな!うん!」 A2は、咳祓いをして2人を振り向かせる 「コホン決まりましたか?」 「ハイ完璧です!」 「では行きなさい魂を浄化するのです」 「行って来るぜ!ククおやじ」 「頑張ります!」 A2は、大きな溜息をつきながら、両手で自分の 顔をパンパン数回叩いて 「次の方どうぞ」 又、仕事は続けるが、既にククおじさんでは 無くなっていた 私にそんな事本当に出来るのだろうか? 不安でいっぱいで辞めとけば良かったかな とか、いや、頑張って人助けをしてあげようとか、悩みながらも暗闇の入口の前だ 足が止まる 暗闇はやはり、恐ろしい... 「何ビビってんだ?行くぜ!」 「又、暗闇なんて...歩くの怖いかも...」 「バカか!歩く必要ねえ!それに暗闇はもう 見える筈だぜ! 考えてみ指輪の力」 「分かってるわよ!偉そうに! 見える暗闇が明るいわね」 飛べ!必死に考えるが出来ない 「鳥をイメージしてみ、力み過ぎだし〜」 なるほどと、クソガキに感謝する チョット悔しいが... 鳥をイメージすると、体がふわりと浮いた 「う、浮いた!」 「出来んじやん! 後は飛ぶ方向、高低、右左前後、スピードを イメージしてみ〜」 クソガキの言う通りやった 「私、飛んでる〜行くよ!クソガキ〜」 「何の鳥 浮かべたんだ?」 「隼!」 「いきなり隼! 飛ばしすぎだし、ク、クソガキィだと〜 おい!コラ〜!行く所わってんのか〜」 「知らな〜い」 「ば〜かか!」 グダグダ感満載のスタート、どうなる事やら... いい仕事の成果を祈るばかりである 完
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