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「そうだ!川を下れば 人里に辿り着くかも」
川沿いを歩くが、かなり山奥のようだった
山を降りないと誰もいなさそうだ
どんどん川沿いを下って行く
いつまでも、同じ景色が続く
何の変化もないが、降りて来ているのは確かだ
「もう〜誰か居ないの?
川で釣りしてるおじさんとか、キヤンプに来た
子供が水遊びしてるとか
何で誰もいないの〜」
かなり歩いたが、人の気配が無い
ふと気づいた
「あれ?日暮れが来ない!
外に出てから、かなり時間は進んでる筈なのに
何で未だに明るいんだろう?
鳥もまだ飛んでいる
来た時と同じみたいな.....何で?」
悩みながらも、歩き続け疲れて岩にもたれ
体を休めた
風が頬を撫でるように吹き抜けた
「私に何が起きたって言うの?
訳分からない!
もうウンザリ!いい加減勘弁して欲しいわ!」
突然男の声がした
「お待たせしました 次の方どうぞ」
驚いて声のする方を見た
頭の毛の寂しいおじさんが、手招きしている
どこから現れたのか、机の上に山ほどの書類が
有り椅子に座っている
山奥で机と椅子って?
変だなと思いつつ取りあえず
ほっとした
「あ〜人だぁ良かった〜おじさん、こんにちわ」
「ここはどこですか?道に迷ったみたいで」
「まあ、椅子にどうぞ」
「あ、ハイありがとうございます あの〜」
「先ずは、お名前を伺ってもよろしいですか?」
「えっ?名前ですか?私の名はええと.....
出て来ないアレ?何で?
私の名はわかりません」
「お歳は?」
「歳はええと.....出て来ない!何で?わかりません
私、どうしたんだろう?
何も思い出せない」
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