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「納得しましたか?
では、本題に入らせてください」
「本題?まだ、あるの?」
「あなたには4つの選択があります
1,人間に生まれ変わる
2,ここに留まり、私の様な仕事をする
3,この飲み物を飲み、人間の魂を導く
4,もう一度あの闇の中に戻る」
「え〜この中からしか選べないの?
私は帰りたい」
「では、暗闇を選ぶで いいですね」
「ちっ、ちょっと!嫌よ!
暗闇なんて二度とごめんだわ!」
「しかし、元に戻ると...」
「暗闇に、戻ったら家に戻れるの?」
「いいえ、同じ事を、繰り返すだけです
結局ここに戻るだけです」
「そんな〜嫌だぁ〜絶対嫌です!」
「私は家に帰りたい!人間として!」
「無理です 人間としてなら、生まれ変わりしか
ありません
大体の方はこれを選ばれます
何故なら今あなたは、無です
既に死んでいるのですよ
お忘れでしょうが暗闇で、風が吹いたのは
覚えていますか?」
「そう確かにもう、ダメだと思った時 微かに」
「それで、暗闇から出ましたね」
「はい」
「そこで何を見ました?」
「美しい景色や、滝、鳥が飛んでいるのを」
「音は?」
私は言葉を失った
そうだった
あんなに大きな滝があったが、音は聞いてない
鳥も飛んでいるだけで 鳴き声は聞いていない
「無の世界には、音はないのです」
「暗闇を出て、何か思いましたか?」
「両親の事」
「風が吹いた筈です
その時あなたの前世の記憶が 消されたのです」
前世の記憶が消えた
母さんの声を聞いた
それが私の最期に聞いた声だったんだ
「私は死んだ!帰る家も無い!私は無!」
「あなたは自殺した、これも罪ですが
あなたは何も悪い事はしていない
だからここに来たのです
生きてる居れば、91歳迄生きて
曾孫迄見られた筈の命を、彩さんは断ち切って
しまったのです」
「そんなに生きて行けたんだ
幸せな家族もいたのね
なのに、私はなんてことを......」
とはいえ確かに突然4つの選択は悩む
どれを選べばいいのか、即答出来る筈が無い
「私には選べないわ
天国でも地獄でもないのに何なの?ここは?」
「そうです、どちらでもありません
その狭間とでも言いますか
選べないなら、ここで一緒に仕事をしますか?
私の場合はここでの仕事が一番好きだから
ここを選びまた」
「え〜おじさんも暗闇から来たの?」
「ここに来られた方達は、全て暗闇から来ました
あなたの周りも順番待ちの方達が並んでるのです
私の場合は親に捨てられ、へその緒がついたまま
餓死してここに来たのです
まだ、乳飲み子でした当然ですが......」
「酷いわ〜可哀想おじさんって惨い死に方ね
順番待ちって?」
周りを見回したが当然,誰も見えないのだが
ここには、そんなに沢山の人達が居るのだ
「おじさんが乳飲み子で歩けないのに
暗闇から解放されたの?」
「ククク ここの12-A3さんが迎えに来て
体を貸してくれたのです
乳飲み子が歩く訳ないですよククク」
「その クククって笑ってるの?」
「そうです乳飲み子の私は、笑い方の知らない
もので、自分也の笑い方です クク」
「ハアなるほど〜」
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