第十三話 「わらしべばかり」

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第十三話 「わらしべばかり」

むかし、むかし、ある所に正直者ですが、運の悪い男が住んでいました。 朝から晩まで、働けど働けど、貧乏でいいことがありませんでした。 ある日、男は、最後の手段として、飲まず食わずで、観音さまにお祈りしました。 すると、夕方暗くなった時、観音さんが目の前に現われ、こう言いました。 「あなたは、このお寺を出るとき、転がって何かをつかみます。それを持って西に行きなさい。」 確かに、男は、お寺を出ようとしたとき、転がって、何かをつかみました。 それは、一本のわらでした。 俺はそのわらを持って西の町へ A 「そのわらとこのわらを交換しましょう」 俺 「はい」 B 「そのわらとこのわらを交換しましょう」 俺 「はい」 C 「そのわらとこのわらを交換しましょう」 俺 「はい」 D 「そのわらとこのわらを交換しましょう」 俺 「はい」 E 「そのわらとこのわらを交換しましょう」 俺 「はい」 ・・・・・・・・・・・・ 俺 「ずっとわらとばかり交換だよ・・・」
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