序章という名の食前酒「回想」
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「誰かの恨みは蜜の味。とっても甘い蜜の味。うふふ……」 フリヤンディーズは豊満な蟹足の身を艶めかしく舌でたぐり寄せてむしゃぶりついた。 蟹の身で詰まったほっぺたを、両手で包み込みながら、シュガーローフと肩を寄せ付け合って、美食の
裏声
(
ファルセット
)
を唸らせた。 その満喫した食悦に目を細めつつ、ポペシャンはお酒を舌の上に転がした。 そして、ゆっくりと回想にふけってゆくのである――。
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