一食目「美味しいカニがあるんですけど、毒味してみますう?」

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 それは一見すると、年の離れた兄妹がふざけ合って遊んでいるかのようにも見えた。  しかし、シュガーローフとフリヤンディーズにとっては必死の逃走劇である。  二手に分かれて逃げ惑うシュガーローフとフリヤンディーズだが、いつの間にやら同じ場所へと追い詰められて、出会い頭におでこをぶつけて、その場にバタンと倒れてしまった。 「あたた……。ポペシャン様、降参ですぅ」 「もう煮るなり焼くなりお好きになさって」  シュガーローフとフリヤンディーズはおでこをさすって、ポペシャンの顔を仰ぎ見た。  なんと、目の周りにアイマスクの特殊メイクが施してある。  目を瞑っていれば誰しもがアイマスクをしているものだと騙されてしまうほどの出来映えだ。
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