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彼と出会ったのは5年前の5月18日。
桜が散り、若葉が茂り始めた頃。
警察学校で出会った。
あれはたしか、喧嘩ばかりしているという噂の彼とすれ違った時だったと思う。
イケメンの部類に入りそうな顔をしていたが、その顔を台無しにするかのように生傷が痛々しくついていた。
「あの、これ良かったらどうぞ」
あまりにも痛々しかったので持っていた絆創膏をあげてしまった。
それからというもの、「理沙さん、理沙さん」と付きまとわれるようになった。
なつかれてしまったのだ。
正直、勉強の邪魔で鬱陶しかったが別に彼のことを嫌いというわけでもなかった。
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