9、恋人のオレら、同僚の俺ら

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だめだ、もう起きれない。 「赤城、大丈夫か?」 「無理…」 ぐったりとするオレの体をさすって河本は心配そうな声を出す。いやいや、でもこんなオレにしたのはお前だからな! 「初めてなのに、連続はないだろ…」 「ちょいまち、俺のせいだけじゃないからな。赤城だって」 「恥ずいからいうな!」 確かに気持ちよかったよ。オレも…『もっとして』って、言った気がするけど! オレが布団に潜ると、上から河本が体重をかけて押さえつけてきた。 「お前なぁ…」 「ありがとな、赤城。俺を好きになってくれて」 突然、そんなことを言ってきたので、オレは河本の体を押しのける。布団から出ると河本の顔が目の前にあって、少しだけ、目が潤んでるようにも見えた。 もう、本当にこいつ…可愛いな。 「オレ、言ってなかったな。河本…好きだ」 河本の頬に手を伸ばす。その手をとって、河本はキスをする。ああやっぱり、クサイやつだな。でも、嫌いじゃない。 こうやってオレたちは同僚から恋人へと、変わった。 翌日。思っていたよりも腰へのダメージは大きくて、オレは腰をさすりながら歩いていた。一緒に出社した河本を睨むと、小さく手を合わせ、ゴメンと合図してきた。今度から連続するときは、翌日休みの日だけにしよう…。 大丈夫か、と局のいろんな人たちから声をかけられて『ストレッチした時に腰を痛めて』と何とか誤魔化していたんだけど。 誤魔化されなかったのが、白木だ。 スタッフルームに入る前に、白木に呼び止められた。 「おはようございます、赤城さん!」 いつも元気だけど、今日はまた一段と声がでかい。 「…はよ。なんかいいことあったのか?上機嫌だな」 「え、いいことあったのはお二人さんでしょ?やだなあもう、朝からそんな見せつけられるとは思わなかったです!」 白木にはきっと、バレているのだろう。オレらはそれ以上何も言えなくて、黙ってしまった。 「お腹壊すから、ゴム 忘れないようにしてくださいね、河本さん」 「おいこら!何でそっちに言う」 オレの言葉を聞いて、白木がニヤニヤ笑う。バラしてどうする…と、河本が呟きながらため息をついた。 「あ、そうそう、彼氏と仲直りしました」 白木が思い出したかのようにそう言う。そうか、一段と声がでかい理由はここにあったのか。そう言えばいつもより顔が明るい。 なんだかんだ言って、こいつは彼氏が好きなんだろうな。しかしどんな感じなんだろう。白木の彼氏って… 「よかったじゃん。また一緒に住むんだろ」 「はい。もう離しません。今朝もヤってきました!」 …お前はもう少し羞恥心を身につけろ!
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