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燦々と差し込む朝日の中、目が覚めたのは白いきれいなシーツがひかれた大きな柔らかいベッドの上。
素っ裸で寝ていた自分に驚いた。
「え?!裸族じゃ無かったはずだよね?!あれぇ?」
慌てて跳ね起きて、自分の身体を見ると、手首と足首と……下半身のアレの付根にぐるりと変な蔦のような痣が付いていた。
あ、……あと……多分昔はなかったはずなんだけど、腕と胸に腹にと痒くないけど虫刺されの様な赤い跡が点々と付いている。
あれ?……これ、イヤな予感しかしない……これって湿疹とかじゃなければ、アレだよね?いわゆるキスマー……。いやいやいや!!
とりあえず鏡で確認せねばと見渡せば全くの見知らぬ部屋だった……どころか、自分の身体を起こすベッドの上には緩やかに波打った金髪をシーツに散らす見知らぬイケメン?イケオジ?が上半身裸で顔を横に向け、うつ伏せに寝ていた!!
え?下半身?もちろんシーツで隠れてるから見えないよ?!うん、でもお尻の辺りギリギリまでシーツがめくれてて、肌色がはっきりと見える。そのお尻をチラ見せするシーツの面積はさほど広くなく向こう側の端から太腿から先の筋肉か綺麗についている素肌か丸見えの足が見えていますから……これは、多分、恐らく確実に全裸ですね、はい。
しかも今になって気がついたといいますか……身体を起こしていたから垂れてきたといいいますか……その……なんだか自分の下半身の主に尻の間から足の付根にかけて何か生温い液体が垂れる感覚がずっとしてるんですが……これってまさかの?!
「ええっ?!何?誰?何処?」
っていう基本的な疑問を思わず大声で口にしてしまい、両手で押さえる。
「ん?……ユキ?ど、した……?」
隣の人、起きちゃうよっ!!って焦ってたのに起きちゃった。寝ぼけた事を言ってるけど、バッチリ緑色から紫色に色を変える水晶みたいに綺麗な瞳が俺を見つめてる。
「あれ?……それ俺の名前?」
そのまま自分が自分の名前がわからないという事に気がついた瞬間、無意識にポロリと瞳から涙がこぼれ落ちた。
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