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◇◇◇ 「おい、起きたか!」  朝食の後、食器を片付けるアレクシに、ユキはもう一度服をお願いしたものの、再びの無言の悲しげな笑顔を返されただけだった。これはもう今日は一日、ベッドの上でシーツ人間だと思っていたところで突然、部屋の扉が乱暴に開かれて怒号と共に乱入者が現れた。 「第一王子ヴィリヤミ殿下です。…乱暴な方なので出来るだけ逆らわないでください……」 とっさに布団の中に隠れた俺は悪くないと思うし、そんな俺の耳元でそっとアレクシは来訪者の正体と注意点を教えてくれた。 「そのままでいいよ。俺は奴隷に礼儀作法など求めないから。それに、昨夜も散々アイツらを労ってもらったらしいしね。身体が動かないのも致したかたないよ。俺は優しい男だから許してあげよう」 「ちっ!……この鬼畜が……」 奴隷という単語と恐ろしい言葉がが自分に向けられている事に気が付き戦いていると布団越しに強く抱きしめてくれたアレクシの綺麗な顔に似合わぬ小声の悪態が聞こえた。 「それより、本題だ。近々父上が帰還なさることが決定した。俺が一人で取り仕切り行った聖女ユリカの召喚の儀の件は伝えてあるが、奴隷であるお前の話はしていない」 「あなたという人は!陛下に相談せずにあのような事をしでかしたのですか?!まだ『穢』も人に危害を与えるようなものではなかったはずなのに!!」 自慢気に話す王子に対し、アレクシが声を荒立てる。思わず驚いて布団の中で身体を起こすとアレクシの手が振り払われ、ユキが被っていた布団が奪い取られた。 「別にいいだろ?父上が不在の際の最高責任者は俺だし。なによりちゃんと聖女様は召喚できたし『穢』も祓えている。こいつの件は大したことでもないだろう。そもそも聖女召喚の儀に他の異世界人が巻き込まれる事はよくある事だしね」 シーツだけを身に着け見上げた先には金髪碧眼の見目だけは麗しい王子様がその容貌に似合わぬ嫌らしい笑いでユキを見下ろしていた。 「だから仕方ないよね?」 「え?」 こんな状況で。しかもここはユキの知らない世界なので常識が異なるかも知れない。でもアレクシの態度から見てもこれはこの世界でも加害者が被害者にかける言葉じゃない。発言者の人間性が理解できずユキは思わず聞き返した。 すると王子様はその相貌に似合わぬ舌打ちの後、いきなりユキの顎を掴みユキの顔を自分の方へとあげさせた。 恋愛漫画の世界なら恋に落ちるくらいのイケメンなのに言葉と表情と行動に害意しか感じられない。反対の手で頬を撫でられると身体中に鳥肌が立つ。 「仕方がなかったんだよ?!うん、仕方がなかったんだ!!ユリカのためにもお前はこうなるべきだったのだ!あー腹立たしい。たかが奴隷ごときにこの俺が手間取るとはっ!!」 自分に言い聞かせるるように大声で叫んだ王子様が手を振り上げる。 耳に響く激しい音の後、気が付けばユキは頬を打ち付けられた勢いでベッドの上に倒れ込んでいた。 「生意気な奴隷には慈悲を恵んでやる。……おお、そうだ!おい、そこの侍従。いつも奴隷の世話をしているお前にも褒美だ。こいつの淫乱な本性を見せてやる。俺がこの部屋をでるまで、そこから動ごかずこいつから目を離すな」 そのままの勢いで隣にいたはずのアレクシが邪魔だと言わんばかりに突き飛ばされ部屋の床に横たわり王子様を睨みつける中、身体に巻きつけていたシーツを一気に取り払われ王子様に馬乗りにされる。 嫌な予感にユキは咄嗟に逃げようとするが、ニヤリと笑った王子様が何か呪文のようなモノを二言三言つぶやくと手足の痣があった場所の辺りから痺れ力が抜けていく。 「さぁ、お人形の出来上がりだ。せっかく見学者がいるんだ、沢山鳴けよ?」 王子様の言葉と自分の身体の異変に心が震え上がる。 「今朝方まで散々遊んでたんだから香油はいらんだろう?」 「え?……な?!……や……やめろっ!やめてくれ!!」 暴れるユキの心とは裏腹にまっまく動かない両足を王子様が膝をたてた形で大きく広げる。今まで人に見せたことのないはず場所が開かれて思わず顔が赤くなるのを感じる。そんなユキを見つめて卑しい笑みを見せた王子様は、そのままユキにみせつけるように自身の指を二本美味しそうに舐め上げた後、一切の躊躇いもなくユキの尻にそれを突っ込んだ。そしてユキの尻は拒絶せずそれを受け止める。 いや、ぐちゅりと音を音をたてて受け入れる。 「やぁ……ひぃ……やめてぇ……」 数回怯えるユキの中を行き来した後、引き抜かれた王子様の指はなぜか白く泡立っていて。それをユキの髪の毛で拭き取った王子様がベルトを緩め力の入らないユキの両足を抱える。 「今朝までたっぷり中だしされた後だったか。このまま十分楽しめるな。挿入るぞ」 くちゅりと音をたてて、先程まで王子様の指先で蹂躙されていた場所に熱くねっとりしたものがあてがわれる。 「やぁっ!!」 それが何かわかった瞬間全身で拒絶するものの、やはり身体は動かない。 「煩いっ!お前は俺達の奴隷なんだ。無能で約立たずなお前に食事とベッドを与えてやってるのは俺だっ!!」 もう一度頬を打たれた後、首元が締められたかのようにしびれ、次第に息が出来なくなる。ああ、首にも同じような蔦の痣があるのかなと遠くなる意識の中どうでもいいことに思考を向けようとした瞬間、一気に下半身を強く深く突き上げられて、ユユキの視界が白く染まった。
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